前編 ソウル〜扶安〜来蘇寺
どこかへ旅立つ。このことへの行動力は自分でも驚くほどだ。
またもや明日から、前倒しの夏休みを取っていいとのお告げ。
現在の仕事状況からみて、全く予想していなかったので、もちろん何の準備、当てもなかった。
しかし帰宅後、行き先の決定、航空券の手配が完了するまで、そう時間はかからなかった。
悩みぬいた末に決めた行き先は韓国。
航空券はANAのeチケットで申し込んだが、今までの最高額¥97,000。論外だ。
だけど、この後の休みがいつ取れるか不明であり、かつ大きな買い物もする予定もない。
貴重な休みに数万円ケチったところで何の得にもならないし、また稼げばいいわけで。
しかしなあ。。。もっと早くから予約していれば、半額くらいじゃないか。
Time is moneyか。
10時間後のフライトか。。。
8月に韓国に行ったのは、過去に済州島へダイビングに行った一回のみ。
この時期のソウルは初めて。暑い。
非常に暑い。
梅雨明け間もない日本では、まだ蝉の鳴き声を聞いていないが、
ここソウルでこの夏初めての蝉の鳴き声をうるさいほど聞いた。
さて、まずはKTXの始発駅である龍山(ヨンサン)へ向かう。
休めることが分かっていたら、もっとよく芸術新潮を読んでいたのに。
ほんの一週間前に買ったばかりで、ざっとしか見ていない。
いくつか気になるところのうち、今回は全羅北道(チョルラボクド)の辺山半島(ピョンサンバンド)に
ある寺に行くことにした。
海も近いし。日程は短いのでここ一点勝負で。
KTXで益山(イクサン)、バスに乗り換え扶安(プアン)に着く。想像していたより栄えていた。
日が沈んだ後の夏の夜。
涼しくなった風が心地よい。
写真は、韓国のカレーライス。初めて食べた。
味は日本のとほとんど変わらなかった。もっと変なのかと思ってたけど、いたって普通。
8時起床。部屋でパンとおにぎりを食べ、9時出発。
来蘇寺(ネソサ)行きバスはどこから出ているのか。
バスターミナル付近をうろちょろしていると、交差点の向こうに市内バスが並んでいた。
あそこかな。行ってみると案の定、行き先別にバスが出発待ちをしていた。
来蘇寺行きはと、、、あった。
クーラー付きバスであるが、今はエンジンを切っており、乗り込むと汗が噴き出す。
運転手が戻り、エンジンをかけ出発。そしてクーラーが効く。
生き返る。
乗客は10名ほどいたが、来蘇寺まで残ったのは私だけ。
1時間ほどで到着。芸術新潮に載っていた寺で、以前から名前は知っていて、
良さげかなという印象があった。
みやげ物屋を抜けると、門が見えてくる。
門をくぐり、木々の間を進む。
涼しさを感じる。日向は殺人的な日差しであるが、一歩日陰に入ると、ちょっと風が吹いただけで
かなり涼しい。
来蘇寺散策中、何度日陰に逃げ込んだことか。太陽の下にいつづけることはできない。
暑すぎる。
さて来蘇寺。大雄殿の後ろに岩山。韓国の寺はどこも立地が素晴らしい。
いつもバックに絵になる山が存在している。
この暑さの中、大きなリュックを背負っての移動は、修行のようだ。
リュックを背負ってのバックパッカーのような旅行を始めたのは、
2002年の海印寺(ヘインサ)、慶州(キョンジュ)に行ったときからだ。
あのときから旅の形が変わった。自由度が上がり、満足度も増した。
それまでは一都市滞在型で、宿も前もって予約していた。
自由って素晴らしい。
しかし、海印寺と慶州を同時に行ったなんて贅沢な。
有名どころを行き尽くし、最近はマニアック路線に走っているので、
期待はずれになることも多いし、とにかく行くまでが大変なところが多い。
それはそれで楽しいのだけどね。