前編 〜鎮海、釜山〜


2009/1/9

久しぶりの成田空港。
羽田からのソウル行きが最近は多かったが、今回は釜山(プサン)。成田からでしか便がない。
成田に行くまで、3時間。釜山までの道程の半分以上である。
雪が降るとの天気予報。交通機関の乱れを予測し、早めに家を出た。
多少の電車の遅れはあったものの、無事に成田空港に着く。
そして久しぶりのKAL(大韓航空)だ。どの位ぶりだろう。
そしてそして1年ぶりの一人韓国。
飛び込みの仕事がやってこないかの前日までのスリル。特になかった。よしよし。
空港までやって来てしまえば、もう後は楽しむだけ。はぁー。

 

約2時間のフライトで釜山 金海(キメ)空港に着く。
先日機種変更したばかりのAU携帯を韓国にローミング設定する。
空港の外に出ると、冷気が出迎えてくれる。
関東より確実に寒い。
市内バス、地下鉄と乗り継ぎ、沙上(ササン)の西部バスターミナルに行く。
ここから今日の目的地、鎮海(チネ)へ向かう市外バスに乗る。
15分おきに出ている。18時を過ぎ、辺りは暗くなっている。

約1時間のバスの旅。
鄭銀淑(チョン・ウンスク)著書の「韓国の「昭和」を歩く」という本に感化されて、日本統治時代に建てられ、 現在も残っている日本家屋めぐりしたくなった。
それが鎮海に来た理由。
この本を読んでいた時に、よく聞いていたRYTHEMの「23」。これをオーディオプレーヤで聞くと、 読んでいた本の内容の世界と結びつく。
それをバスの車中、聞きながら、鎮海に期待する。

   

街外れのバスターミナルで降りたのは二人だけ。
中心地へ向かう。
イルミネーションが派手だが、開いている店は少ない。
適当に食堂に飛び込み、石焼ビビンバを食す。
体が温まる。

宿は中園(チュンウォン)ロータリー近くのきれいそうな所にする。
が、中は思い切りラブホ仕様であった。ベッドが丸い。ベッドにはホットマットと呼べばいいのか、 温度調節できるようになっており暖かい。というか熱いくらい。
宿泊費W30000。今回のレートはかつてない円高ウォン安で\10000=W140000であるから、\2100位だ。

韓国のテレビを見て、ボーッと息を抜く。
この時間がなかなか好きな時間でもある。
ホットマットの温度を上げたり下げたりしながらも、それなりには眠れたか。

2009/1/10

   

最近は寺めぐりがメインの韓国旅行が多く、今回のようにこれといった観光地でもなく、一つの街を散策するというのは、 珍しいことのように感じる。
鎮海という街を今日は歩きまわる。
観光地ではないので、案内所もなし。ただ今回は行くところを本やHPでかなり事前調査し、
YAHOO KOREAで地図をプリントアウトまでしてきており、ガイドブックは持ってきていない。
行くところははっきりしているので、順に歩いて行く。

まずは「韓国の「昭和」を歩く」の1ページ目に出てくる日本家屋「チェロ」というブティック。
大体の場所は調べられていたのだが、見つけられるか多少不安であった。
が実は、昨日バスターミナルから街の中心部へ宿探しでフラフラ歩いているときに偶然にも見つけていた。
こんなもんなんだ。探そうとすると見つからず、その気もないときはすぐ見つかる。
なのでチェロの場所は認識済み。
雨どいが外れ、あわれではある。長屋になっており、この街 鎮海が日本統治されていたことを今に伝えている。

街を歩くと、ところどころに瓦屋根の日本家屋が目につく。
でも老朽化のため、次第に建て替えられていく運命にあるのだろう。

中園ロータリーにはロシア風の鎮海郵便局。
映画「ラブストーリー(クラシック)」のロケで使われたそうで、 おしゃれな外観。

遠く鎮海駅の駅舎が見える。歩いて行く。
かわいらしい駅舎。これも日本統治下に建てられたもの。今も現役である。


   

ちょっと横にそれ、余佐川(ヨジャチョン)という小川沿いを歩く。
鎮海という街は韓国の中では桜の名所として知られている。
余佐川は桜の観光名所。ドラマ「ロマンス」で使われたロマンス橋なるものがある。

帝皇(チェファン)山公園に行くか。
今日一日、鎮海散策に時間を当てていたが、思いのほか小さな街であった。
帝皇山公園は1年階段と呼ばれる365段の階段があり、登ると展望台を兼ねた博物館がある。
人影はまばら。展望台は無料。エレベータで8Fで。
眺めがよい。冷風は刺すようではあるけれど。
海軍の基地があるため、撮影禁止と書かれてはいるが、誰もいないし、監視カメラもないようなので、 撮りまくる。
Googleマップがある世の中で今さら撮影禁止もないものだよな。

とりあえず行こうとしてた所は一通り廻った。まだ11時。
あっ、あそこに市場らしきものがる。行ってみようか。
市場はどこの街にもある雰囲気と変わらずといったところ。
キンパブ天国でラーメンを食べ、早いけど釜山へ戻るか。
明日の釜山プランは詰め込み過ぎなので、今日少し行ってしまおうと思う。

   

バス車中、お昼を食べた直後ということもあり、すぐに爆睡してしまった。
起きた時には、バスを降りようとする人々。
あっ、もう下端(ハダン)地下鉄駅に着いたんだ。続いて降りる。
地下鉄に乗り、土城洞(トソンドン)で降りる。

タルドンネ(丘の斜面にへばりつくようにあるため、月に一番近い街という意味)に行くためだ。
これも鄭銀淑著書の「韓国・下町人情紀行」で紹介されていて、行きたいと思ったところだ。
タクシーかバスで行くらしいのだが、歩いても30分というHPの情報もあり、 歩いていくことにした。
が超急坂の道程であった。30分登りつづけた。

着いたのは甘川(カムチョン)2洞。
すごい。ギリシャって程の美しさは感じないが、カラフルな家々が斜面に建ち並ぶ。
家々の間を縫うような道を少し歩いてみたりして、雰囲気を堪能する。
あー、まだ3時なんだ。結構強行スケジュールと思いきや、かなり余裕が出てきたな。

       

続けて臨時首都記念館(休館であった)、東亜大学内にある慶尚南道庁 旧庁舎を見て廻る。
いい感じで足も疲れてきたよ。
今日はこの位にしとくか。ってまだ4時前なんだけどね。

南浦洞(ナンポドン)まで繰り出し、スタバで休憩する。
昼はラーメンだけだったし、夜は早めにして、サムゲタンとしようか。
ということで釜山に来たら、いつもここに行くという程の南浦サムゲタンにて早めの夕食。
相変わらずうまい。

     

CDを買おうとしたが、CD屋が見つからない。
前にあったところにはない。韓国は日本以上にネット文化が発達しているから、いまどきCDは売れないのかも知れない。
仕方がないので、西面(ソミョン)のシンナラレコードに行く。
場所を忘れていた。丁度観光案内所があり、教えてもらう。
何とか商街の2本の通りの左側を真っ直ぐ進み、マックの階段を上がったところね。はい、覚えた。
今回の購入品は、前回の訪韓時にテレビで聞いて気に入ったものを、事前にチェックしておいてメモって来たもの、 全て入手した。よしよし。

さあ、明日は海で日の出を見ようと思い、海雲台(ヘウンデ)へ向かう。
以前に泊まった28000ホテルは、今回はW45000だった。高いじゃん。
明日晴れるといいな。

     



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