前編


バルセロナへ

   

いつからかバルセロナは行ってやるぞと思っていた。
だって持ってる地球の歩き方は2008〜2009年版だし。その頃からかな。
勤続15周年で3日のリフレッシュ休暇と金一封がもらえたので、ついにここだと、
自分へのご褒美にイベント的な旅行にしようと決めた。
たくさんの世界遺産巡りはもちろんのこと、何か特別なこともしようと、
そういえば会社の先輩でやはりリフレッシュ休暇で大リーグ観戦してきたという話を思い出し、
バルセロナだったらサッカーでしょと、FCバルセロナ(通称バルサ)観戦もしてみたいなと。
スペインのサッカーリーグ、リーガ・エスパニョーラは土〜月曜日のいずれかに行われ、
そしてバルサの本拠地カンプ・ノウ・スタジアムで試合が行われる日程に合わせて旅行期間を確定した。
旅行自体はH.I.S.、サッカーチケット手配は専門の業者に依頼し、さあ出発。

フライトは9:30と早いので、成田付近のホテルに前泊した。
そしたら地震だよ、千葉震源の。震度4。おどろいたね。
成田空港も一時閉鎖されたようで、どうなることかと思った。
明日大丈夫かな。
地震のないスペインへ行こう!

     

日本からバルセロナへの直行便はないので、どこかで乗り継ぐ必要がある。
今回利用したのはルフトハンザドイツ航空で成田から、ドイツのフランクフルトまで12時間、
そこで乗り継ぎ、2時間でバルセロナと長旅である。
フランクフルトまでは空いていて、エコノミーの4席を嫁と2人で占有できた。
映画は「ツーリスト」、「英国王のスピーチ」、「ミート・ザ・ペアレンツ」を見たけど、
吹き替えだし、機内だとどうも集中して見ることができなかったり、途中で寝てしまったり・・・
ルフトハンザドイツ航空はスターアライアンスグループなのでANAのマイレージが貯められ、
おかげで帰国後、10000マイルを超え、Edyに換金できた。儲け儲け。

   

バルセロナ・プラット空港のTerminal1に到着。Terminal1はまだできたばかりできれい。
私が持っている古い地球の歩き方には載ってなかったよ。
日本とバルセロナの時差は、こちらがサマータイムでもあり7時間。
わぁー本場バルサのショップだ、と思ってもちょい時差ボケで眠く、頭がボーっとしてる。
現地H.I.S.のバスの送迎で、地下鉄クロット駅に近いホテル アルベニスに行く。
新しくはないが、清潔なホテルで、窓からの眺めもなかなか。
ちょっと中心地から外れているので、騒がしくもない。まずまずかな。

 

市内観光のためカテドラルへ

   

ホテルに朝食は付いている。
パンにソーセージ、ハムなどちょっとしたものとフルーツをビュッフェスタイルで。
まあ好きなだけ取れるし、味も良かったな。
牛乳がおいしいのが印象に残った。

     

バルセロナに滞在できる3日のうち、初日の午前中にだけバスでの市内観光が付いていて、あとは自由行動のプラン。
集合場所まで地下鉄で向かう。
事前情報では、バルセロナはあまり治安が良くなく、特に地下鉄の乗り降り時に注意することとあった。
だけど3日間、地下鉄には何度となく乗ったけど、全く危険を感じることはなかった。
街を歩いていても治安の悪さは感じられず、むしろ治安がいいと感じたくらい。
危険そうな所に行かなかったというのもあるかも知れないが、普通に観光する分には、特に注意する必要はないんじゃないかな。
地下鉄には3日間乗り放題パスがあり、これを購入、改札を通る時にパスを通し、降りる時はスルーできる。
また地下鉄は東京並みに発達しており、路線ごとに色分けもされており、非常に利用しやすい。


   

集合場所のカテドラル周辺は、ゴシック地区と言われる旧市街で、いきなり古い建物に囲まれ圧倒される。
石造りの建物に石畳の路地。ヨーロッパっぽい雰囲気だ。
この日、4月23日はサン・ジョルディの日と言われ、男性は女性に赤いバラを
女性は男性に本を送るという日であった。
日本で言うバレンタインデイのようなものらしい。
だから、街の至る所でバラの花屋と本屋をよく見かけた。
カテドラルの前にはピカソの壁画が何気なく街に溶け込んでいる。

   

市内観光のバスに乗り、まずはかつてオリンピックが開催された時にメイン会場であったモンジュイックの丘へ向かう。
ここからはバルセロナ市内が見渡せる。
天気はよく、気候は日本と変わらないかな。
地中海に面しているので、海に大型客船も見える。
ああ、あそこにサグラダ・ファミリアも見える。
早く近づいてみたい衝動に駆られる。

     

バスでスペイン広場、かつて闘牛場でいまはショッピングセンターになったところ、グラシア通りを通過。
街の雰囲気をつかむ。
早く歩いてみたいな。

   

グエル公園

     

バルセロナといえばアントニ・ガウディ。
ガウディが手掛け、世界遺産となっているものの中で最初にグエル公園に来た。
すごい人の数だ。もうどこの国の人がここにいるのやら分からない。
世界各国から来ているのだろう。
みんなの目当ては公園の名物ドラゴン。ドラゴンっていう話だけどどう見てもトカゲだよね。
タイル作りで愛嬌たっぷり。
ギターを弾く人など、明るい雰囲気。

     

サグラダ・ファミリア聖堂

     

市内観光はここサグラダ・ファミリアで解散となった。
ついに来た。来れた。見た。見られた。
近くで見ると迫力満点。
スゴイな、これは。
ガウディの代表作。今は日本人の外尾さんが関わっている。
ガイドさんの話によると、この日は何かの式典(イースターがらみだったか?)が行われていて、
内部は一部しか見られないとのことだったので、中に入るのは明日にして、外から眺める。
大画面が設置されていて、ステージには日の丸。
よく見ると塔の真ん中にも日の丸が掲げられている。
「♪さくらさくら・・・」のメロディーが聞こえ始めた。
サグラダ・ファミリアだから、さくらさくら?
初めはギャグかと思ったが、そのうち日本大使館の人なのか、日本語で演説が始まった。
どうやら今回の震災の件で、スペインに援助してもらったことに対してお礼を述べているようだ。
今回の震災はここスペインにも衝撃を与えていたようだ。

   

小腹が空いてきたので、サグラダ・ファミリア近くで、食べ物担当の嫁がチェックしていたAITORというバル(小皿料理を出すレストラン)に入る。
初めて来た国で最初に入るレストランは、いつもなかなか入る決心がつかないものだが、
今回はえいやっと勢いで入ってしまった。
ピンチョスというパンの上におかずが載って爪楊枝を刺したものがカウンターに並ぶ。
分からないのでカウンターに座って、自分で好きなものを皿に載せて行く。
爪楊枝の数で、あとで清算するようだ。たぶん。
量を調節して食べられるから、食べすぎることはないし、このシステムはいいな。
日本でも流行らないかな。
爪楊枝1本で200〜300円程度。

   

 

グラシア通り〜ランブラス通り 買い物タイム

     

日曜と4月25日の月曜はイースターで祝日、そのため多くのショップが休みになってしまうとガイドさんが言っていた。
えー、じゃあ買っておきたいものは、今日の土曜日に買っておかなきゃと、
最終日にと思っていた買い物を急遽これからすることにした。
まずはグラシア通りに入り、日本にも出店してるけど若干安いということで、靴のCAMPERに行く。
ネットでチェックしていたモデルがあったので、ためし履きをさせてもらって、履き心地がよかったので、即決。
140ユーロもしたけど、これって日本より安いの?まあいいか。ってなっちゃいました。
気に入ったから、よしとしよう。
同じく嫁も買ったので、店員さんにはやはり日本人は気前がいいという印象を与えてしまっただろう。
バルサの選手も愛用しているARMAND BASIという服のブランドショップに入ったけど、
デザインの奇抜さにちょっと見るだけにした。
と言ってる間にカサ・ミラやカサ・バトリョといったガウディ建築を通り過ぎる。
街に馴染んでいるんだな、これが。すごく奇妙な建物なのに。

     

カタルーニャ広場を過ぎるとそこからはランブラス通り。
ここはさらに観光客が増え、道は人だらけ。
ショーウィンドウを除くと、震災に向けた日本語のメッセージがあったりして、心が温まる。
市場では、ハチミツやら、絵描きさんがいたり、いい感じ。
ちょっと横道に入り、地球の歩き方にも載っていたVaho Galleryというポリ塩化ビニール製の広告バナーで作ったバッグ屋に行く。
店員さんに英語でおそらくバッグの由来を説明してもらったと思うが、よくわからなかったので、
地球の歩き方に載っているそのページを見せると、驚いてくれた。
いくつか物色して、気に入ったデザインのがあったので、購入した。
これでお菓子などのお土産以外で購入予定してたものは、今日のうちに買えた。

     

FCバルサ観戦

     

FCバルセロナ戦はスペインサッカーリーグのリーガ・エスパニョーラの対オサスナ戦。
チケットは前日の深夜にホテルに届けられていた。
バルセロナに来て早々、サグラダ・ファミリアにバルサ戦まで見るとは、贅沢すぎる一日だ。
街のバルサのオフィシャルショップ(市内の数か所にある)でメッシの背番号10のユニフォームを買い、
バルサの本拠地カンプ・ノウ・スタジアムに向かう。

     

おおカンプ・ノウだ。
サン・ジョルディの日で入場時に嫁はバラをもらっていた。
入ってみると・・・9万8千人を収容できるスタジアムはほぼ埋まっているのではないか。
♪バルサ、バルサ、バルサー!の応援歌が響く。
選手が登場してくるが、あれ?メッシがいない・・・
バルサは現在リーグ首位、メッシは得点ランキング1位、
下位のオサスナ戦では出場しないのか?
一抹の不安を抱えたまま、試合開始。
前半にバルサは1得点し、客席はヒートアップ。
正直、メッシ以外に選手を知らないので、日本からはるばる来て、メッシを見られないのかと
それはかなり残念だなと思っていたら・・・

   

後半開始しばらくして、選手交代。 背番号10、メッシだ! ヤッター、生メッシだよ。現在の世界No.1プレーヤーと言っても過言ではない選手。
攻撃サイドが逆なので、デジカメではこれが限度。右側の選手がメッシ。
さあ、メッシにボールを回せ。
行った、メッシらしいドリブルを見せてくれた。
そしてその瞬間は訪れる。
ゴール前、メッシの前にボールがうまいこと行き、技ありのシュート。
ゴーーーーール!
決まったー。生メッシのゴールだよ。
観客総立ち。
試合は2-0でバルサの勝利。
この興奮はしばらく冷めそうにない。


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