6日目 4月30日(水) 晴れ 〜三陟 春の日は過ぎゆく撮影地 新興寺〜
6:30に宿を出て、海へ。海岸へは金網をくぐって行かねばならない。
いい天気、空気もいい。海も静か。この向こうに日本がある。大きな砂時計(モレシゲ)。一年を計るもの。
昨日、車で行った道を歩き、サンクルーズホテルへ。
いい景色を堪能する。
再び、宿の方へ戻り、バスで東海(トンヘ)へ行こうと、待てどバスは来ない。
チョンドンジンには国鉄の駅がある。韓国の列車に乗ったことはなかったので、次の列車まで時間はかなりあったが、急ぐ旅でもないしと列車を待つことにした。
トンヘまで約30分。W4400。11:01発。さすがに世界一海に近い駅。海が目の前。ディーゼルカーに引っ張られた客車に乗る。
ゆっくりと走る。列車の旅もいいね。
トンヘはさびれた駅前。そのままバスに乗り、三陟(サムチョク)へ。
サムチョクバスターミナル前に観光案内所があったので入った。
「新興寺(シヌンサ)に行きたいのですが」「映画を見てきたのですね」
と案内員はパーフェクトな日本語で。
そう新興寺は映画「春の日は過ぎゆく」でユ・ジテとイ・ヨンエが訪れた山寺。
案内員に場所とバスの時間を教えてもらい「日本語がお上手ですね」というと「私、日本人なんです」とびっくり。
どおりでうまいと。でもサムチョクといういなか町で日本人の案内員がいるのも驚き。久々の日本語。
マウム行きバス(80番)13:15発に乗り、運転手に新興寺に着いたら教えてくれと頼んでおく。
40分ほどで運転手が着いたよと教えてくれ、バスを降りた。はて?どうやって行くのだ。
道路沿いの川は大水があったらしく、道は崩れ工事中、橋もきっと流されたのだろう、今はない。
ふと見るとこんな所を渡るのかというような所をアジュンマが渡ってくる。
新興寺はどこかと聞くと、ここを渡って行けと言う。なんとか渡り、新興寺へ。
誰もいない。
風鐸が風に揺られ鳴る。
祈る。
静かに時間が流れる。
ユ・ジテが映画の中で録音をしていたシーンのときに座っていたと思われる場所に座る。
ユ・ジテと自分を重ねて見ていたあのときが、脳裏をよぎる。
1日に8本しかバスがないから、来るのは難しいと思ったが来れた。
次に映画で印象的なシーンである竹林(テナムスプ)に行く。
10分ほど道を戻ると、看板があった。
100m?しかし、ここも橋が流されている。対岸に映画で見た民家と竹林が見える。
しかし渡れない。遠くから見るだけにしておく。対岸の人はどうやって暮らしているのか?
渡る手段があるのだろうか。陸の孤島状態。
サムチョク市街地へ戻り、宿に行くと、携帯が鳴る。
日本からか?出るとチヨンさんだった。それなりに韓国語で会話して元気でねと切る。
あの乱暴運転で無事家に着いたんだ。安心。