2日目 驪州 店村
カーテンの隙間から光が差し込んできた。外を見ると曇ってはいるが雨は降っていない。何気に景色がいい。
川と橋、後ろに山。ソウルから1時間でこんな自然が広がる。
韓国に行きだしてから16年、旅の形、かける費用ともほとんど変わっていない。
16年も経ったから、稼ぎは多少はよくなったはずなのだが、結婚して自由に使えるお金は減ったかな?
しかしなあ、もし旅費にもっとお金をかけられるようになったとして、
移動しつつのバックパック旅行のどこにお金がかけられるだろう。
泊まるところがよくなるか。いや大体、行った先に高級ホテルなんかないところばかりだ。
歩かずにタクシーばかり使うか。いや自分の足で歩いた方が楽しい。
結局、お金をかければ旅が楽しくなるかというと、そうではないということに気付く。
ふむふむ、そうだよね。いかに安くあげるかを極めた方が楽しみ甲斐がある。
まあ、お金ないけどね。韓国に32回も行ってて、お金がないって訳ないって反論はあるだろうけど、
だからこそ、それだけ使っている訳で・・・
宿を8時半に出て、歩いて15分ほどで両水(ヤンス)駅に着く。
ここから中央線で30分くらいで楊平(ヤンピョン)駅まで行く。
バスターミナルはどこだろう。駅の案内図では載っていない範囲にあるようだ。
とりあえず合っていそうな方角に動物的勘で歩いていくと、奇跡的に見つかった。
しかし驪州行きの直行バスはなく、市内バスで行けるとのこと。
むむむ、ってことは駅前の停留所から乗ればよかったってこと。分からないね、来てみないと。
市内バスで1時間くらいで驪州に着く。
神勒寺(シルルクサ)に行くために来たけど、バス車中で看板が見えたが、降りそびれてしまった。
初めての地でなかなか機転よく行かないのは仕方なし。
ターミナルまで行って、タクシーにて、神勒寺まで行く。
雨は相変わらず、降ったりやんだり。
川べりの寺って自分の記憶では初めて来たと思う。
ん、扶餘(プヨ)の皐蘭寺(コランサ)もあったか。
まあ珍しい方だろう。
川を見下ろす位置に建つ江月軒はドラマ チュノのロケ地ということだが、見ていないので特別な思いはない。
南漢江の流れはここでもゆったりとしている。
極楽宝殿がメイン。提灯がきれい。魚の形の風鐸が風に揺られて、かすかな音をたてる。
いい雰囲気だ。しばし座ってみる。一人旅の気楽さを感じるとき。
帰りはタクシーで来た道を徒歩で戻る。
道順が分かったから、歩いてみたい。
2kmちょっとか。街の感じをつかむには歩くのが一番。
お昼を過ぎたので、食事にしよう。
いろいろ迷ったけど、迷ったときにはキンパブ天国。
どこにでもあって、まず外さない。キムチチャーハンを食す。うまかった。
今日これからどうするかな。
雨はやっとやんだようだし。計画の逆ルートだけど、順番を入れ替えてもいいし。
行く方向は決まっているから、バスに乗りながら考えよう。
驪州といえばアウトレットだけど、街の中心部は単なる田舎町だね。
まずは利川(イチョン)まで高速バス。45分くらい。
ポカポカと温かく、うたた寝タイム。
ここから忠州(チュンジュ)行きに乗り換え。
1時間半で忠州に到着。大きな街のようだ。
バスターミナルの建物が巨大だ。
明日あさっての時間配分が良くなるように、今日のうちに店村(チョムチョン)まで行っておいた方がいいかなと、なんとなく、
そう、なんとなく思い、店村まで行ってしまうことにする。
当初、初日に行くはずだったところ。バスでさらに1時間くらい。
せっかく晴れてきたのに、南下するにつれ、また雨、しかも大雨になってきた。
店村に着いたときは本降り。
雨合羽、ザックカバーが必要なほど。時刻は18時過ぎ。完全防備で街歩き。
意外に大きな街だ。まだまだ知らない街は多い。
店村はずいぶん前に1日3本しかない慶北線に乗ったときに、駅を通ったことはあったが、それっきり。
まずは店村駅に向けて歩く。
お目当てがあるから。
雨の中を進む。
駅前は栄えているけど、1日3本なんだよね。
駅に着き、改札の先を見てみると、いた!
犬の駅長さんだ。特に問題なさそうなので、構内に入り、駅長とご対面。
よく吠え、走り回る。元気すぎて写真が撮りづらいほど。と格闘していたら、列車がやってきた。
何というグッドタイミング。
駅長にも会えたことだし、明日の回龍浦(フェリョンポ)行きのため、バス乗り場を確認しておこう。
事前にネットで、もちろん韓国語のページでバスの路線やら、時刻表を調べておいた。
しかし相当する停留所が見つからない。ってか土地勘がないので、よく分からない。
地図のプリントアウトされた範囲が中途半端だった。こんなときスマホですぐ調べられればいいのだが。
頑固にもまだスマホを所有していないもので、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、
市内バスターミナルにいた運転手に訊いたりで、やっとそれらしき所は見つけられた。
小さなマウルバスということだから、果たしてここで合っているかは明日になってみて分かるだろう。
最悪タクシーでもいいか。気付いたら20時過ぎ。
夕食は適当に入った食堂で海鮮カルグクス。
鍋に火をかけながら食べる本格的なもので、美味だった。W6000。
コンビニで買出しして、駅前のホテルに飛び込みで宿泊。