3日目 回龍浦


回龍浦

   

宿を9時に出発。天気は薄曇り。今日は念願の回龍浦に行く。1年がかりだ。
実は昨年のGWにも行こうと目論んではいたが、行き方が分からなかったのと、
他の目的地とうまく行程が組めなかったことで、諦めていた。
回龍浦をどうやって知って、行きたくなったのか、ドラマのロケ地で知ってた訳でもなく、
今となっては不明なのだが、何かのHPを見て、いつからか行ってみたいと思っていた。

     

昨年の6月に行った人がいて、あるHPに詳しい行き方、現地の様子がアップされていた。
今日来れたのは、この人のおかげと言っていい。
バスが1日6本と少ないが、運行されていること、これを知ることが出来たのが大きい。
バスはNAVERの韓国版で路線図、時刻表まで調べきり、準備万端整えていた。
そこまでしておかないと厳しかった。
実際、店村から乗ろうとしていたバス停には時刻表がないどころか、どこ行きのバスが来るかも書かれておらず、
来るだろうと待っていたバスはたまたま他のバスが前に停まってしまい、あやうく乗り損ねそうになったり。
回龍に行くことを運転手に確認して、乗り込むことができた。
あとはプリントアウトしてきた停留所マップと照らし合わせながら乗ってたが、運転手が降りる所を教えてくれた。
でも本来はこのバスは回龍浦の入り口まで行くはずが、根元までしか行かなかった。省略していいのか?
入り口のバス停で待ってる人がいるのでは? 実際誰も居なかったけどね。
1日6本のバス、帰りは丁度いいのに乗れるか不明だけど、まあどうにかなるでしょと回龍浦を歩いていく。
一応、駐車場もあり、観光地っぽくなってはいる。村には少ないが住民もいる。

   

昆虫の壁画の中を進んでいく。

   

第一ピョンピョン橋といういかにも手作りの、水流が増えたら渡れなくなる橋を渡る。
天気はようやく晴れてきた。水の流れはおだやか。周りを山に囲まれ、緑が気持ちいい。

     



     

何かの集まりなのか、ご老人がたくさんいる。ベンチでまったりとしてたら、老人集団に囲まれていた。

   

   

せまい第二ピョンピョン橋をおばあちゃんが渡る。
見てられなかった若者が手を貸している。
微笑ましい光景。

   

展望台に行ってみよう。軽いハイキングとなる。雨の日を避けて正解だった。
登り始めて20分位で回龍台に着く。そこから見下ろしてみると・・・

     

すごい、すごいな。
景色を見て久々の感動ものだった。川が大きく回り込んだ絶景。
初めて見た、こんなの。
安東の河回マウルに行ったときは芙蓉台に登らなかったからな。似てたと思うけど。
民家は数件あるのみで、あとは畑か田んぼ。秋には稲穂で絵文字を作っている写真を見たことがある。
でも今まさに見ているというのがいい。写真で見るのと違う。
腰を下ろし、しばらく眺めていた。

名残惜しい。
でもそろそろ行くか。
こんなときに、いつも思うこと。
また来ればいいじゃん。今日来れたってことは、また来れるよと。
そう思うことにすると、すんなりと立ち去れるようになる。

     

回龍台から長安寺(チャンアンサ)経由で車道を降りていく。
何気に昼飯をとっていない。
リュックに入っていたシリアルチョコ菓子とそこの売店で練り羊羹を買って食べたけど、お腹は減ってないし、まあいいか。
帰りのバスは気にしてなかったし、龍宮(ヨングン)駅まで行けば、タクシーはいるだろうと、龍宮駅まで歩くことにした。

     

何てことはない畑の中の一本道。なつかしい風景。
韓国旅行でこんな田舎道を歩く人ってどのくらいいるだろう。
約3kmくらいあるか。一本道なんだから、車はみんな龍宮方面に行くはず。
ちょっとなんだから乗せてくれてもいいのにね、なんて思ってたら、一台の車が停まった。
「龍宮まで行くの?」「はい」「乗りなよ」と50歳代くらいのおじさん。
後部座席のドアを開けてくれ、乗せてもらった。
いやあ、ありがたい。助かるねえ。
少し会話して、日本人だと分かり、韓国語がよく話せるねと喜んでくれた。
駅までは数分、いくらか払った方がいいのか、好意をありがたく受け取って、払うのはやはり失礼かなと思っていたら、
おじさんの方から、くしゃくしゃにした札を渡してきた。W10000も。
えっ?そんな、私が、あー、伝わらない。
いい、いい、とっとけと無理やり握らされた。
いい人だった。親切に乗せてくれ、お金までくれるなんて、なんてこった。
バス、タクシーに乗るお金もなくて、歩いていると思ったのだろうか、まさかね。
セウォル号事故の直後で誰にでもやさしくしようという気持ちがにじみ出ているのかも知れない。

     

聞慶セジェ

     

駅に行くと、1日3本が5、6本運行されていて、15分後に店村方面行きが来る。
何ていいタイミング。タクシーかと思っていたけど、列車に乗れるなんて。
これだから行きあたりばったり旅はやめられない。

     

店村に戻り、16時になってたけど、遅いお昼におかゆ、野菜ツナ粥を食べた。
ちょい薄味に感じたけど、こんなとこかお粥はね。
なんか雲行きが怪しいと思ったら、また雨だ。
またかよ。

     

店村市内バスターミナルから、最終目的地、聞慶(ムンギョン)セジェへ向かうべく、市内バスに乗る。
バスに乗っている間に雨はやんだ。1時間ほどかかって終点のセジェに着く。
観光地らしい場所だ。スターバックスまである。

ホテルは事前調査ではあまり多くはないようで、見てみると確かにそれほど見当たらない。
ちょっと古い旅館はあるけど、まあ最後だし、ん、そう明日のソウルではアミーガインホテルに予約済みなので、
ホテル選びは今日が最後。一番立派な聞慶観光ホテルに行ってみる。
一泊いくらか聞いてみて決めよう。
フロントで尋ねるとW78000。10万切ってるし、いいんじゃない。
観光ホテルにしては安いのも納得の室内だった。

     

16時に昼食をとったばかりなので、夕食にはまだ早い。
でも部屋にいても何もないので、外に出る。
スタバで読書でもしていよう。2、3人しか客はいない。ガラガラの店内でしばし読書。
今回あまり読書してないな。バス移動が多かったからか。バスでの読書は苦手。

少しずつ暗くなりゆく。そして一息ついて外に出ると、もうやっている食堂はない。観光地の夜は早い。
それほど空腹でもないからと、セブンイレブンでフランクフルトとキンパブを買い、ホテルの部屋で食べる。
こういうのもたまにはいい。

   



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