2日目 双渓寺 花開 南海
6時前には目覚めていた。窓の外は明るくなってきた。
昨日の夜に来たので分からなかったが、山がよく見える。
いつもは朝食パンを買って、部屋で食べてから出かけるが、昨日の夜もパンだったので、
今日の朝食は外で食べるつもり。
出かける準備をしながら、テレビでm-netやMBC-MUSICを見る。
覆面歌合戦みたいのをしていて、ベネチアの仮面をした二組が歌うのだけど、実にうまい。
負けた方が仮面を取ることになり、なんとG.NAだった。
プロの歌手が覆面で歌って対戦するものだった。G.NAはJの「昨日のように」を歌っていたけど、
どおりでうまいと思ったよ。仮面を取る前に審査員たちに誰かを予想されるのだけど、
きっとG.NAよと当たっていたからいいものの、間違って言われる人もいて、
当人にしちゃあ失礼な話だね。日本でやっても面白いと思うけど。
宿を7時過ぎに出る。
バスターミナル前を過ぎ、橋を渡ると花開市場(ファゲチャント)がある。
ここで朝食をと思っていたが、時間が早すぎたようで、まだ準備中であった。
仕方なくバスターミナルに戻り、ちょっとした売店でチャプチェ入りのブリトーみたいなので
朝食を済ます。
8時過ぎに双渓寺(サンゲサ)行きのバスが来たので乗る。
15分程度で双渓寺のバス停に着く。
周囲を山に囲まれた参道をのんびりと行く。緑が気持ちいいね。
横には渓流があり、涼しげ。
双渓寺の山門が見えてきた。提灯がきれい。
ふと後ろから声をかけられた。外人だ。自分もそうだけど。
「どこから来ましたか」「日本です」「ああ、そうですか」と英語で。
50代位のおじさんはアメリカ人とのこと。韓国で仏教の先生をしているそうな。
「ここはいいでしょ」「そうですね」と。
韓国の寺でアメリカ人教師と話すのは不思議な感じがした。
提灯のトンネルを抜け、階段を上がると、大雄殿だ。
黄金の仏様が並ぶ様はどこの寺で見ても圧巻だ。
大雄殿の後ろにも横にも多くの仏閣があり、なかなか大きい寺だ。
そう、ここはいつの間にかできていた韓の国三十三観音聖地の一つになっている。
そのせいなのか、各所にある説明看板には日本語での説明もされている。
日本人、そんなに来るかなー。
どこもかしこもいい被写体になり、写真も切りがないので、適当に切り上げ、ベンチで小休憩。
日差しの強いこと。初夏のようだ。
なんだかんだで2時間位いるかな。
集合時間を気にしないでいいのが、個人旅行のよいところ。
仏具っぽい土産屋の軒先に魚の形をした風鐸がかかっていた。
これ売り物だ。好きなんだよね、風に揺られる音が。
と、W25,000でお買い上げ。
さあ、お昼を食べに花開市場に戻るか。
帰りのバスは30分近く待って来た。流しのタクシーもないし仕方なし。
丁度お昼に花開市場。客が多く来ており、栄えている。
Facebookでオススメされたシジミ汁を食べてみよう。
店が並んでいて、選べないなあって時は、呼び込みおばさんが元気な店を選ぶことにしている。
と入店。
出てきたシジミ汁、シジミとニラのみの具で、シジミの味を生かすよう絶妙な薄味でおいしかった。
韓国を巡っているけど、何せ食にあまりこだわらないもので、
どこ行ってもキンパブ天国で済ますことが多い。
地の名物を食べるというのもいいものだね。
さて腹も満たされたので、腹ごなしに市場内を廻ってみる。
山芋のような芋、お茶の葉、きのこ、オミジャの実など、どの店も並んでいる商品は同じだ。
きっと何か由来があって今も続いている市場と思われる。
さあ次へ移動しようか。
花開バスターミナルに戻り、次の目的地、南海(ナメ)へと向かう。
直行便はないので、乗り継いで行くしかない。
下調べ通りに河東、辰橋と2回乗り継いで行けた。
奇跡的な乗り継ぎ時間だった。河東で2分後のバス、辰橋で5分後のバスであった。
おかげでうたた寝気分が途切れることなく、南海まで着けた。
13:20に花開を出て、15:30に南海。
そうそう途中、南海大橋を渡ったんだ。
ドラマ「サンドゥ、学校へ行こう」のオープニング曲で出てきていた。
もう随分前にドラマは見ていたから、特に思い入れはなく、スルーしてしまったけど。
この時間なら加川(カチョン)タレンイ村に行けると思い、
南海バスターミナルで加川行きバスの時刻表を見たら、次は16:35。
げ?1時間後。ここで途切れてしまった。
1時間待ってもいいし、南海市街地をブラつくのもいいかも。どうしようか。
よしタクシーで加川に行こう。20キロ位だし、大したことないでしょ。
とタクシーに乗り込む。
この運転手、飛ばすね。でも運転がうまいのは分かる。
そしてヒュンダイのこの車、まだ新車だね。
パワーはあるし、乗り心地がいい。加速が気持ちいい。韓国もいい車を作るようになったね。
自分のアウディA3より格は上だよ。車種名を見ていなかったが、
帰国後、覚えている内装から調べてみたら、AZERAだったかと思う。
と、あっという間というか、30分位で加川の近くまで来たが、大渋滞。
加川辺りが混んでいる。海沿いの高い所を走る道路は、狭く、カーブも多く、高低差もあるのに、
観光客の路駐が多くて、バスが通れなくなっている。
少し手前でタクシーを降ろされ、うん、降ろされたんだ。あと少しは歩いたほうがいいと。
タクシーはUターンして帰っていったもん。20キロ位でW23,000だった。
しかし、この道はひどい。ここに1時間位滞在したが、バスが路駐の車をこすっていくのを
2回も見たよ。1台目なんかはバンパーがへこむほどぶつかってるのに、
バスは素通りして行ってしまった。何てこった。
まあ、それはさておき、加川タレンイ村は段々畑の美しさで有名な場所である。
金曜日なのに観光客が多い。もっとひなびた感じかと思っていたが、もろ観光地である。
急な坂を下り、古い家並みを眺めつつ、段々畑の様子が見えてくる。
夕暮れ近い時間、海も近く、風光明媚とはこのことか。
菜の花やラベンダーか、これは。
そしてアムス岩という、あるものを思わせる岩があったり。
のんびりしていたかったが、バスの時刻を気にして、帰ることにした。
タクシーもつかまりそうにないしね。
せっかく海もきれいだから、この辺で泊まれればとも思ったけど、
ペンションはまだ泊まったことがなく、躊躇し、
また民泊はもう、ちょっと避けたいかなという感じになってきたしな。
昔は泊まってたけど、共同風呂、共同トイレはなあ。
この辺は少しこだわりが出てきたのかも。
また来ればいいやと、バスに乗り、南海バスターミナル方面へ戻った。
ターミナル近くで繁華街っぽい所があったので、降りてみた。
この辺が街の中心かも。市場もあり、お店も多い。
夕食はと探した結果、今度はキンパブサラン、キンパブ天国っぽい所で肉が食べたいなとトンカツを食べた。
日本のとほぼ同じだが、ソースの甘さなど微妙に違うがうまい。
そして夕食後はパリスバゲットのカフェで旅日記を書く。
まあ、あとは宿に行くだけだと、ターミナル前のHP上で泊まった人の書き込みのあった
ビザンチンモーテルに行ったところ、満室だった。
その近くのモーテルも入口が開かない。鍵がかかっている。
うーむ。混んでいる。金曜の夜だからか、南海は一応観光地だからか。
市街地の中心付近にも宿があったなと戻り、チャンス荘に行ってみると、
おじいさん、おばあさんがフロントで案内してくれ、泊まれる模様。
部屋はまあ普通のレベル。よかった、泊まれて。
宿に入って気付いたら、腕が時計焼けしてた。日差しが強かったもんね。
そして今日一日を振り返ってみる。
加川タレンイ村はもう一本次のバスまでいてもよかったかなと。そうも思った。
でもね、少し眠気も来てたはず。バスで眠かったし。
だから「また来ればいいや精神!?」だ。もう二度と来れないと思うと、
気負ってあれもこれも見とかなきゃとプレッシャーがかかり、真に楽しめないし、疲れるだけだ。
韓国なんて来ようと思えば、また来れるので気負う必要なし。
また来ればいいや精神で行こう。