2日目 注山池 周王山
朝6時に起きた。窓の外を見ると川がきれいに見えた。今日も晴れそうだ。
下調べしておいた注山池(チュサンチ)行きのバスは7:50発。果たして合っているかは不明だけど。
パンの朝食を済ませ、宿の外に出る。寒い。きっと気温は一桁台だな。
成田で手袋を買っておいて正解だった。
バスターミナルまで歩こうと進みだすと、すぐそこにバスの待合所があった。
ここから乗れるかも。おじさんが一人待っており、どこに行くかと話しかけられ、注山池と言うと、自分も行くからと大丈夫だよという表情を返してくれた。
時刻表があり、7:50発は合っていたようだ。
定刻にバスが来て、30分程で注山池の入口にバスは着いた。
おじさんは降りろと言う。でもNAVER MAPではもう少し先まで行くことになってるようだけど。
言われるままに降りる。降りてから、ゴメンゴメンと謝られる。
自分はここからハイキングコースに行くようで、そうかバスはまだ先に行くんだったと後で気づいたよう。
大丈夫ですよ。少し歩きたかったんで、とここで別れる。
注山池の駐車場までは数百m。
途中りんご畑が多く、直売所があり、味見させてくれる。
おかげでおいしいりんごを食べられたよ。
りんごが名物ということは、かなり寒い地域のようだ。
それにしてもこんなにりんごがなっている木って見たことないかも。
注山池の駐車場は広く、売店もあり、それなりの観光地になっているようだ。
ここ注山池はキム・ギドク監督の映画「春夏秋冬そして春」のロケ地として有名。
池に浮かぶ庵のセットで、一年の季節とともに撮影していた。
確かセリフが一つもなかったような。
見るだけで美しい景色を堪能できる映画でもある。
テーマとしては人間の心の闇を描いていると思ったけど、確か。
もう一度見直してみよう。と池が見えてきた。静かな池だ。
やっと来られた。
長年、何度となくここに来るプランを考えてはいたが、行きづらいというのとコースに組み込むのが難しくて、ずっと来られてなかった。
今回は注山池、周王山(チュワンサン)に行くのが大きなテーマとしたので、ついに来られた。
秋、紅葉がいい。
静かな水面に映っている。
そして池から生えている木。人工池だから、元々木が生えていたところに水が入って浸かっているということか。
冬だとかなり淋しげに見えるだろう。
紅葉と注山池をあらゆるカットで写真を撮りまくる。
いいねえ。一人旅のいいところ、気の済むまで撮りまくる。
やっと満足して、次に行くことにした。2時間近くいたな。
駐車場前の売店にバス停はあるが、果たしてバスはいつ来るのか。何の表示もない。
売店のお姉さんに聞くと、午前中は8時の1本、午後はないよとのこと。梨田(イジョン)まで歩いて乗ることになるよとのこと。
やっぱりそうか。行きはよいよい帰りはこわいパターンね。ある程度予測してたけどね。
そして梨田まで3kmほど歩く。
ホームページにはいいところしか載せてないから、いいね、楽しそう、行きたいと思ってくれている人は多いと思うが、
その裏ではバスがないから何kmも歩くとか、結構大変な思いをしているんだよね。
自分はそれを含めて楽しいと思っているからいいのだけど。
梨田のスーパー前が府東(ブドン)バス停だ。
来る途中まで観光バスは多く通っていたけど、タクシー、路線バスは全然通らない。
待っているとバスはすぐやって来た。周王山に行くのか運転手に聞くと、一緒に待っていたおばさんが私も行くから乗りなさいと。
おばさんは運転手にいろいろ聞いて、このバスで大丈夫なようだ。
NAVER MAPで見てたけど、どうにも方向が違うんだけど。と途中で降ろされた。
ここでバスを乗り換えるとのこと。そういうことね。
でもバス来るかな。しばらく待てどバスは来ず。
しびれを切らしたおばさんは通りかかったタクシーを止める。
周王山に行くの?乗せて、と乗客がいたタクシーだったけど、あなたも乗りなさいと乗り込む。
相乗りだ。強引なおばさんが一緒で良かった。
でよくよく聞いてみると、タクシーの乗客ではなく、運転手夫婦が乗っていた。
タクシーをマイカー代わりに使ってたってこと。
どうしてメーターが0だから、あれって思ったんだよ。
周王山は大混雑。紅葉シーズンの土曜日、そりゃそうか。
観光バスの大渋滞。駐車場は満車で、遠くの道路に路駐させられ、シャトルバスに乗ることになるらしい。
タクシーだったけど、ヒッチハイクなようなもので、料金はタダでいいとのこと。ラッキー。
ということで、強引なおばさんのおかげで無事周王山にたどり着くことができた。
おばさんはソウルから来てて、友達と来るはずが急にキャンセルされて、一人で来てるとのこと。
注山池から周王山への交通の便が悪いねえと言っていた。確かに。
おばさんは今日中にソウルに戻るようで、急いでいたので、お礼を言ってここで別れ、大典寺(テジョンサ)の方へ歩いていく。
すごい混みようだ。
食堂やみやげ屋が建ち並ぶ。
12時過ぎなので適当に食堂に入り、スンドゥブチゲを頼む。イマイチだった。
スンドゥブチゲランキングの最下位だね。味がうすい。
いや、うすっぺらいって感じ。
気を取り直し、大典寺に入る。
後ろの岩山がまさに「山」という漢字のよう。
いい感じだ。天気がいいので、青空と岩山とお寺と紅葉のコントラストがよい。
普段はお寺で神妙で厳かな雰囲気になるのだが、今日のここは明るい雰囲気。
晴れてよかった。観光客のほとんどがアウトドアルックでハイキングに向かっている。
下調べはあまりしてないが、少しハイキングしてみよう。
紅葉のトンネルを進んでいく。
紅葉のピークはやや過ぎているようだ。落葉している木々が多い。
周王窟、周王庵から龍湫(ヨンチュ)滝へとぐるっと散策。
行ったことがある山梨の昇仙峡、群馬の吹割の滝辺りに雰囲気が似ている。
顔のような岩山があったりして。
人の列が途絶えることがない。多いなあ。
約3時間かけて最短コースを一周。
健脚コースもあるが、きっと山頂まで行くだろうから今日はパス。
大典寺に戻り、日が傾いた時の境内の感じもさっきと変わってまたいいねえ。
生姜茶を売っていたので、飲んでみると、うすっ。
もうちょっと濃いとおいしいんだけど。濃い味に慣れてしまっているのか。
腹が減ったので、おいしそうに焼いている匂いに誘われ、パジョンを食堂で食べた。
一人前って言ったのに食べきれないよ。
さて今日中に大邱まで行くつもりだけど、行けるかな。
バス停に行くと青松行きが止まっていた。
ここから大邱、ソウル行きも出ているようだ。
迷っているうちに青松行きが行ってしまわないようバスに乗り込む。
30分程で青松に戻って来た。
さあ東大邱行きはと・・・19:10発。今17:30か。1時間半以上待ちか。
まあいいや。ターミナルの待合室でスマホや旅日記を書きつつ待つことに。
ふと英語で話しかけられる、ん?National Parkがなんちゃらとか言う女子3人組。
チュワンサンのことかな。台湾から旅行に来てるようで、チュワンサン行きのバスの時刻表を教えてあげる。
私、日本人ですけどと言うと、あーと笑顔に。
ありがとうと日本語で言われた。
韓国で英語で台湾人と話す。こんなこともある、面白いもんだ。
やっと来たバスに乗り、ほとんどの時間をうたた寝し、大邱に戻って来た。
都会に帰って来てしまった感がある。
明日はこのまま慶州(キョンジュ)へ移動してしまう予定。
大邱か。毎回どこかに移動するときの中継点としてしまっている。
大邱自体にも見どころはあるはずだけどね。
今回は紅葉メインだから、次回改めて廻ってみることにしよう。
何回も韓国に来てるけど、このようにまだまだ廻り切れていない。