3日目 労働党舎、白馬高地


労働党舎

 

朝はのんびり7時に起き、白馬高地(ペンマコチ)行きバスの8:55に合わせてバス停に行く。
今日も天気は良さそう。台風が来るのではとひやひやしていたから。
13番バスはここが始発のようだ。
昨日の乗りそびれの二の舞にならずに済んだ。NAVER MAPを見つつ、降りるバス停をやり過ごさぬよう乗り込む。
というのも降りそびれてしまうと次のバス停まで数キロ行ってしまうので、おそらく民家がないか、 民間人出入統制区域なのかと思う。
バスは出発。

 

10分行ったところでそろそろかなと降車ボタンを押すと、1コ手前のバス停であった。
あちゃー。まあいいか、手前なら。と降りる。
次のバス停は近くに見えているので大したことはない。
畑と山が多い。もっと平坦なのかと思ったけど、山に囲まれている所なんだ。

しばらく歩くと何かの施設が見えてきた。
教会と石の壁。近寄ってみると、戦争で破壊された教会跡だった。
鉄原第一教会、そして隣には建て直された教会があるということ。
これが教会かあ。壁の一部しか残っていない。
銃弾の跡なんだろう。跡形もないね。

   

と、ここを後にし、先に怪しげなゲートが目に入ってきた。迷彩色のゲート、きっと民間人出入統制区域のゲートなんだろう。
兵士の姿も見えてきた。あの先だったら、入れてもらえるものなのだろうか。
どうだろうと心配しつつ、進んでいくとお目当ての建物があった。
こっち側だったんだ。区域内ってことね。

   

労働党舎である。
今回の旅の目玉スポット。
ただねえ、民間人出入統制区域の境界の情報を探したけど、明確なものを見つけられなくて、 労働党舎は見られるかどうか気になっていたんだよね。
ツアーなら区域内にも入れられるんだけど、今回はツアーに参加しないで、どこまでDMZ観光できるものか、 チャレンジという意味合いもあったんで。
ただ単にツアーの予約とかが面倒なだけだったりなんだけど。

   

朝鮮戦争前は北朝鮮の労働党の建物として使われ、戦争後に韓国側のエリアになったというところである。
激しい砲撃の跡が生々しく残り、広島の原爆ドームのようにモニュメントとして保存され続けている。
いやあ、来られてよかった。他の人はいないし、独り占めだし、ぐるっと一周見られる。
建物内に入ることはできないが。
柱も破壊され、あとから付け足した鉄骨で支えられている。

   

   

ムクゲが咲き、今は平和な雰囲気だけど。ね、北朝鮮どうでしょう。
自分は訪韓20周年で、今がいちばん南北関係が融和的に見えるけど、休戦から終戦となる日は近いのであろうか。
明日は8月15日。光復節。
そんな日にここを訪れた意味は自分にとって大きい。
そういった過去の歴史があったこと、忘れてはならない。

   

午前中早い時間にもかかわらず暑い。
ホテルの冷蔵庫で冷やし過ぎて凍ってしまったペットボトルの水がのどに気持ちいい。
で、ぐるぐるしていると、あれ?バス停あるじゃん。
何と、ここで降りられたし、乗れるんじゃん。
NAVER MAPにはバス停なかったよ。
と、ここからの移動は楽になった。

   

白馬高地

   

次のバスは丁度いいくらいに来て、白馬高地駅まで移動した。
バスはゲートを通過することはなかった。
ということはNAVER MAPで道が載っていない範囲が民間人出入統制区域と思えばよいのかな。
ゲートの先にも道はあり、農家のトラックとかは通過しているけど、NAVER MAPには載っていないので。

 

10分くらいで白馬高地駅に着く。
ここで少し散策して、帰りはDMZトレインでソウル方面に戻ろうと時刻表を見る。
ん?今ちょうど出発時刻だけど、列車はいない、ん、何で。
遅れているのか、ん、列車運休。代替バス?
なんでかは分からないけど、そんなことらしい。紙が貼ってあった。
どおりで人が少ないと思った。
ホームに出て、線路がここで終わっているのを見る。
いつかこの先に行くことはあるのか。

   

気を取り直し、白馬高地展望台へ向かう。
1.9キロ。歩ける距離だ。
クルマはほとんど通らず、人はもちろん誰も歩いていない道を行く。
ここでもゲートが見えてきた。
もちろん真っ直ぐは行きませんよと曲がる。

   

白馬高地のモニュメントが近づいてくる。この辺は稲作地帯。稲穂が見える。
展望台に到着。太極旗の並ぶ道を上がって行く。


   

案内看板をGoogle先生に訳してもらうと、この辺の小高い丘が焼け野原になり、
それが白馬の横たわっている様にみえたので、白馬高地と名付けられたとのこと。ひえー。
この辺は激戦地だったらしいからね。

   

展望台からは畑がよく見える。前の山には頂上に何かしらの施設が見え、軍のものだろう。
地図では直線距離6キロほどで北朝鮮なので、あの辺りの山は北朝鮮側かなっていうくらいは見える。
今は12時。駅に戻っても売店は閉まってたからな。お昼食べ損ねるな。
ここには売店があるけど、お菓子くらいしかなく、とりあえず暑いのでアイスを買って食べる。
空腹感はないから、まだいいか。

   

さてと駅に戻る。またもや2キロくらい歩く。
DMZツアーに参加すれば、効率よく廻れると思うし、ゲートの先に入れるからいつかは参加してみようとも思う。
まあ今回は自分の足で廻るってこと。
青空と緑の山、畑を見つつ、炎天下ってのがいらないけど、ほのぼのとした気分で駅まで散策。

 

坡州へ

駅に着くと丁度、代替バスが停まっていて、急いで飛び乗る。
漣川(ヨンチョン)まで行ける。
で、よく分からんけど、無料だった。
漣川からは列車があって、窓口で切符を買ったけど、漣川から東豆川(トンドゥチョン)までのW1,000を払っただけ。
漣川までのシャトルバス扱いなのか?
列車が運行されていない理由が分からないんだけど。

 

気動車に揺られ、すぐに東豆川。1号線に乗り換え。
紙杏(チヘン)駅で途中下車。お昼を食べようと思って。
東豆川は田舎町っぽかったから、多少街になってきた感がある所で降りてみた。
って結局うどんを食べただけど。
EDIYAコーヒーにはしごして一休みと。

 

さてと移動と。もう一つ残っている目的地、烏頭山(オドゥサン)統一展望台。
今回はひたすら北寄りに行く。
坡州(パジュ)まで直線距離はそんなにないのだけど、最短で行くバス路線がない。
あるにはあるが、乗り継ぎばかりで時間がかかりすぎる。
NAVER MAPのナビではソウル経由が結果的に早いことになっている。
なので、1号線でソウル、京義中央線で金村(クムチョン)駅というルート。
これでも結構かかる。しかも一度ソウルに戻るとは。

ソウル中心部に近づくにつれ、車内は混雑してきた。
さっきまでいい感じの田舎にいたのに、ソウルときたら。。。
うーむ、ソウルも好きだけど、何かな、最終日だけでいいな。
やはり地方旅好きにとっては、なんか現実に引き戻される気がして、興ざめしてしまう。
車内ではうとうとしつつ、やり過ごす。

   

初めて乗る京義中央線で坡州の金村へ。
ここもまだ都会だなあ。今日はここまでにしておこう。
駅近くのホテルに泊まる。

これで前半3日分終了。
明日から後半戦だ。5泊6日といつもより1日長いと余裕が生まれる。
実は烏頭山以降の予定は特にない。成り行き次第。
どこに行くかは自分でも予想がつかず、楽しみだ。

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